親知らずの生えかけが痛い理由とは?応急処置とその後の正しい対処法

監修者情報

院長:内藤 嘉彦

<保有資格>

  • 国際インプラント学会認定医
  • 国際口腔インプラント学会
  • 顎咬合学会認定医など

<自己紹介>

はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。

親知らずの生えかけが痛い理由とは?応急処置とその後の正しい対処法

「親知らずが生えかけで痛いけれど、忙しくてすぐに歯科医院へいけない」「とにかく今日だけでも乗り切りたい」とお悩みではありませんか?

そんなときは、市販の痛み止めを服用したり優しく歯磨きをしたりなど、応急処置をしてしのぐのもひとつの方法です。

ただし、仮に応急処置で痛みが一時的に治ったとしても、近いうちに再びトラブルが起こる可能性もあります。そのため、決してそのままにせず、できるだけ早く歯科医院を受診して適切な対処をしてもらうようにしましょう。

この記事では、親知らずが生えてくるときに痛む原因や自宅や旅行先でできる応急処置、その後の正しい対処法をご紹介します。生えかけの親知らずが痛んでお困りの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

親知らずは斜めに生えやすく痛みが出やすい

  • 親知らずの生えかけが痛い理由とは?応急処置とその後の正しい対処法

そもそも親知らずとは、大臼歯という大人の奥歯の最後尾に位置し、上下左右に1本ずつ4本ある歯です。

第三大臼歯が正式な名称ですが、18歳〜20歳過ぎくらいに生えてくることから、一般的には親知らず(親が知ることなく生える歯)や智歯(一人前の分別がつく年頃に生える歯)と呼ばれます。

親知らずは、もともと1本もない方や4本揃っていない方、4本すべて生えている方など個人差があります。

中には生えてくるスペースが不足していたり、生える方向が真っ直ぐでなかったりして正常に生えて機能しないこともあるため、痛みやトラブルも生じやすく抜歯が必要になるケースも多いでしょう。

親知らずの生え方の種類、生えてくる平均的な年齢などについては、こちらで詳しくご紹介しています。

親知らずがきれいに生える人の割合は?生え方の種類や抜歯が必要なケースを紹介

親知らずが生えてくる平均的な年齢や30代までに抜いた方がよい理由

親知らずが生えてくるときに痛む原因

親知らずの生えかけが痛い理由とは?応急処置とその後の正しい対処法

親知らずは、生えてくる際にさまざまな理由で痛みや違和感、腫れを生じることがあります。応急処置や対処法を知る前に、まずは痛みの原因を知っておきましょう。

親知らずが隣の歯や歯茎を押している

親知らずは、生えてくるときに奥の歯茎を突き破って出てきます。そのときに歯茎が押されたり歯茎が開いたりすることで、痛みを感じます。

親知らずが真っ直ぐ生えていてスペースも十分に確保できている場合は、しばらくすると痛みはなくなりますが、横や斜めに生えている場合やスペースが足りない場合は、親知らずが隣の歯や歯茎を押してしまい痛みが長期間続く恐れもあるでしょう。

歯と歯茎の隙間に汚れがたまっている

親知らずが横や斜めに生えてしまうと、歯と歯茎の間にわずかな隙間ができます。その隙間に食べかすが押し込まれて蓄積すると、歯茎を圧迫して痛みが生じることもあります。

また、歯と歯茎の隙間には、食べかすだけでなく汚れも溜まりやすいです。そこから細菌が繁殖すると、炎症によって歯茎が腫れる「智歯周囲炎」になることがあります。

智歯周囲炎は、親知らずで頬が腫れた、口が開けられないなどの原因である可能性が高いです。歯と歯茎の隙間に食べかすや汚れが詰まっていると、虫歯にもなりやすくなります。歯磨きもしにくく、隣り合う歯まで虫歯になるリスクが高くなるため、早めに対処しなければいけません。

歯茎を噛んでいる

親知らずが真っ直ぐに生えず横や斜めに生えてきて頬の粘膜を刺激したり、噛み合う親知らずが生えておらず向かいの歯茎を噛んでしまったりしている場合、口内炎ができて痛みが生じる可能性があります。

智歯周囲炎で歯茎が腫れている場合などは、噛むたびに歯茎や頬の肉を巻き込んで歯茎が腫れ上がってしまい、ますます腫れがひどくなるという悪循環になりかねません。

生えかけの親知らずは痛み以外のトラブルも起こりやすい

上述の通り、親知らずが生えかけの状態だと歯茎に炎症や虫歯が起こりやすく、痛みが生じやすくなりますが、他にもさまざまなトラブルが起こる可能性があります。

以下は、生えかけの親知らずによって起こりうる痛み以外のトラブルです。

  • 口臭が強くなる
  • 歯並びに悪影響を与える
  • 発熱や倦怠感が現れる

親知らずやその周辺組織は、食べかすや汚れがたまりやすく不衛生な状態になるため、口臭が発生しやすくなります。とくに歯茎が膿んでいる場合、口臭が強くなりやすく、周囲の人に迷惑をかけてしまう可能性もあるでしょう。

さらに、炎症が喉にまで広がると喉下が膨らんで発熱や倦怠感などの症状が出ることも。最悪の場合、細菌が喉から首、胸周辺にまで広がって内臓や心臓にまで影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

また、横や斜めに生えた親知らずは、隣り合う歯を押し出しながら生えようとすることから、他の歯を動かして歯並びが悪くなってしまうこともあります。

歯並びだけでなく、噛み合わせも悪くなったり顎がガクガクしたりなど、口の中全体の健康を損なう恐れもあるので、痛みが出たら早めに対処しなければならないのです。

親知らずが生えかけで痛いときの応急処置

親知らずは、口の中の状態や生え方によっては痛みや炎症が起こりやすい歯です。ときには歯茎が腫れて強い痛みを感じたり、食事すらままならなかったりと、日常生活に支障が出ることもあります。

ここでは、生えかけの親知らずが痛むときに自分で手軽にできる応急処置の方法をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

優しく歯磨きをする

親知らずが生えかけの状態で痛む場合、歯と歯茎の隙間に詰まった食べかすや汚れを除去することが重要です。細菌が繁殖しにくい環境にするためにも、念入りに歯磨きをしましょう。

ただしここで重要なのが、やわらかい歯ブラシを使用して優しく丁寧に歯を磨くことです。

痛みが出るほど炎症が強いときに硬い歯ブラシで力を入れて磨いてしまうと、逆に痛みを増幅させてしまいます。ブラッシングの際は、歯ブラシを歯列に対して斜め45度程度の角度で当て、小刻みに歯ブラシを動かすようにしましょう。

また、ヘッドが小さな歯ブラシを選ぶと、親知らずの奥まで届きやすくなります。磨きにくいときはタフトブラシを使うのもおすすめです。

親知らずはもちろん、隣り合う歯もしっかりと丁寧に磨き、仕上げにフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れも落としましょう。

市販の鎮痛剤を服用

親知らずに限らず、歯の痛みは時と場所を選ばず突然生じます。

すぐに歯科医院を受診できない中、ただただ痛みを我慢するのは非常につらいもの。仕事や予定で忙しくて時間がないときや、夜中、旅行先などで急に生えかけの親知らずが痛み出した場合、市販の鎮痛剤を服用するのもひとつの方法です。

鎮痛剤を服用する際のポイントは、痛みが我慢できなくなる前に飲むことです。親知らずの痛みは、強くなったり弱くなったりするため、少し痛みが治まったからといって安心せず、早めに服用するようにしましょう。

ただし、智歯周囲炎がひどくなって痛みが生じている場合は、抗菌剤で細菌感染を抑えなければ症状を緩和できない可能性があります。市販の鎮痛剤を規定量服用しても効かないときは、他の応急処置を試してみましょう。

親知らず周辺を冷やす

痛む部分に氷を包んだタオルや冷却ジェルシートなどを当てて頬の上から冷やすと、痛みが軽減される可能性があります。

とくに腫れがひどい場合は、この方法が効果的です。痛みが顎下や首にまで広がっている場合は、痛む部分全体を冷やしましょう。

ポイントは、急激に冷やしすぎないことです。炎症が起きた部分を急激に冷やしてしまうと、痛みが強くなることもあるため、直接氷や保冷剤を頬に当てるのはおすすめできません。

必ずタオルなどでくるみ、間接的に冷やし、時間も長時間連続して冷やさないで、5分冷やしたら30分休むなど、血行を阻害しないように冷やすのがポイントです。

栄養と睡眠をしっかりとる

生えかけの親知らずの痛みは、疲れがたまっているときや体の免疫力が低下しているときに出やすい傾向にあるため、しっかり栄養と睡眠をとって、免疫力アップに努めることが大切です。

痛みや腫れのせいで食事がしにくかったり、食欲がわかなかったりするかもしれません。

しかし体力が低下すると回復に時間がかかってしまうので、できるだけ固いものや刺激の強いものは避け、やわらかくて栄養のある食事を心がけることをおすすめします。ゼリー飲料など、栄養が豊富でカロリーも同時に摂取できるようなものを利用してもよいでしょう。

また、普段不規則な生活をしている方は、休息をしっかりととるよう心がけ、十分な睡眠時間を確保することが大切です。

早めに歯科医院で対処してもらうのが正解

生えかけの親知らずが痛む原因にはさまざまなものがあり、放置することで体全体の健康にまで悪影響を与えることがあります。

上記でご紹介した応急処置は、あくまでも一時的に痛みを和らげられる可能性がある方法です。痛みや腫れが引いたとしても、そのまま放置せず、できるだけ早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けることをおすすめします。

歯科医院では、生えかけの親知らずの痛みに対して以下のような治療を行います。

  • 親知らずを洗浄・消毒して炎症を抑える
  • 親知らずを削って歯茎を噛まないようにする
  • 鎮痛剤や抗生剤を処方して炎症を抑える
  • 親知らずを抜歯する

生えかけの親知らずやその周辺が炎症を起こしている場合、洗浄や消毒、薬の処方で炎症を抑えてから抜歯をするかどうかの判断をするのが一般的です。

親知らずが生えている向きにもよりますが、歯茎を噛んでしまうことで腫れている場合などは、噛み込んでいる親知らずを削って噛み合わせを調整するだけで改善できることもあるため、歯科医師とよく相談して抜歯を検討しましょう。

なお、埋まっている親知らずの治療法、抜くべき判断基準など歯科医院での治療に関する情報は、こちらで詳しくご紹介していますのでぜひ参考になさってください。

親知らずは埋まっていても腫れを引き起こす!治療法や抜歯する方法を紹介

親知らずを抜かない人の割合は?抜くべきかの判断基準と難易度を判定する5つのポイント

親知らず抜歯後の痛い期間はいつまで?痛みを解消する5つの解消法を紹介

親知らずを抜くと小顔になる?見た目の変化や抜歯以外の歯科治療を紹介

まとめ

親知らずが生えてくるときに痛む原因や自宅や旅行先でできる応急処置、その後の正しい対処法をご紹介しました。

生えかけの親知らずは、痛みや腫れによって日常生活に支障が出てしまうケースも多いです。しかも忙しいときや旅行先など、肝心なときに限って症状が現れることもよくあります。

真っ直ぐに生えてきておりスペースも十分に確保できている場合は、そのまま温存してもよいですが、横や斜めに生えている、何度も痛みや腫れを繰り返すような場合は抜歯を選択した方がよいかもしれません。

突然生えかけの親知らずが痛み出したときは、今回ご紹介した応急処置を行った上でできるだけ早く歯科医院を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。

初台駅から徒歩1分のところにある「内藤歯科」では、患者様に安心して治療を受けていただけるよう、拡大鏡や無痛麻酔注射器など最新の治療技術を用いて診療を行っております。

治療前に患者様としっかりとコミュニケーションを図る時間を設け、治療に対する疑問や不安点などもすべてご相談いただけます。

生えかけの親知らずについても、激しい痛みがある場合はその場で応急処置を行い、適切に対処いたしますので、ぜひお気軽に「内藤歯科」までご相談ください。

診療メニュー

「すべては患者様のために・・・」
初台駅から徒歩1分の内藤歯科では患者様一人ひとりに付きそい、治療のお手伝いをさせていただきます。
歯科・歯医者が苦手な方でも治療を受けていただけるよう配慮しますので安心してご来院ください。

内藤歯科を受診される患者様へ
お電話でお問い合わせされる前にご確認ください