歯医者の根管治療で聞こえる「ピピピ」の正体や治療の流れを解説

監修者情報

院長:内藤 嘉彦

<保有資格>

  • 国際インプラント学会認定医
  • 国際口腔インプラント学会
  • 顎咬合学会認定医など

<自己紹介>

はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。

根管治療は、虫歯が進行して神経にまで達している場合に行われる、神経を消毒して出来るだけ抜歯をせずに自然な歯を残せるようにする治療です。

歯根の先は奥を目で見て確認できないため、歯科治療の中でも難しく高度な技術が必要とされています。しかし、歯医者では日常的によく行われているので、「神経を抜く治療を行いましょう」などと言われた経験のある方も多いです。

いわゆる神経を抜く治療は、専門的には「抜髄(ばつずい)」と呼ばれます。数回にわたって歯医者へ通い、1回の治療時間が数分で終わることもあるため、一体どんなふうに治療をしているのだろうと不思議に思われる方も少なくありません。

根管治療では、歯科専用の機械を用いて治療を行います。その際ピピピという電子音を聞いたことはありませんか?

実は、この音は歯の根っこの深さを測定する機械が発する音です。

歯にあいた穴の中に挿入した針が、歯根のもっとも深い部分に達したときにあの「ピピピ」という音が聞こえるのです。

この記事では、歯医者の根管治療で聞こえる「ピピピ」という音の正体と、根管治療が必要な症状、治療の手順について詳しく解説します。

歯医者の根管治療で聞こえる「ピピピ」の正体は?

歯医者では、歯を削る「キーン」という甲高い音や、吸引のバキュームから聞こえる「ゴー!」という水や唾液を吸う音など、さまざまな種類の音が聞こえます。

根管治療でも、ピピピというような電子音が聞こえますが、あまり聞き慣れない音のため、何をしているのか気になった方もいるのではないでしょうか。

ここでは、歯医者の根管治療で聞こえる「ピピピ」の正体について解説します。

根管治療中のピピピの正体は?

従来の根管治療では、レントゲン写真や手の感覚などをもとに、肉眼で確認しながらこの治療を行っていました。つまり従来は、歯科医師の経験によって培われた勘によって神経を抜き、根管を綺麗に清掃する治療が行われてきたということです。

根管には、歯の神経が入っており、細くて複雑な形状をしています。虫歯菌に侵された部分を目で見ただけでは、どのくらいの深さがあるのかを見極められないのです。

そのため、1度治療したにもかかわらず、再治療が必要になったり、抜歯をしなければいけなくなったりするケースも。

しかし1969年、根管の深さを測定する機械が登場し、歯根の先にまできちんと充填剤を詰められるようになり、根管治療の精度が格段にアップしました。

今ではほとんどの歯科医師が使用しており、根管治療に必要不可欠なものとなっています。根管に針のような器具を挿入することで、根管の近くになるとピピピという電子音で教えてくれるのです。

根管長測定器の原理

根管治療では、歯根の先端までしっかりと洗浄し、隅から隅まで充填剤を詰めなければいけません。

歯根は歯茎の中にある上に患者さん一人ひとり長さが違うので、根管の深さを測る根管測定器を用いて、正確な歯の根の長さを測ります。

レントゲン写真でも、大まかな長さまではわかりますが、0.1mm単位での測定まではできないため、口の端に釣鐘のような金属を引っ掛けて使用する根管測定器が必要となるのです。

根管測定器は、口腔粘膜と根管内に挿入した測定電極の先端との電気抵抗値(インピーダンス値)を測定することで、根管の長さを測る装置です。歯は、エナメル質や象牙質、歯髄でそれぞれ電気抵抗値が違います。この性質を利用して電気抵抗値を測定、根管長を予測します。

根管長の測定は痛い?

根管長測定器での測定は、歯根の中に細い器具を挿入して行います。そのため、痛みを感じるのではないかと不安な方もおられますが、ほとんどの場合麻酔をしてから処置を行いますので、痛みを感じないことの方が多いです。

根管長測定器は、根管内が乾燥状態でなければ精度が下がり、誤差が生じる可能性もあるため、従来の測定器では器具が根の範囲を飛び出して痛むケースもありました。

しかし、根管長測定器の精度は年々上がってきており、根管長測定を根管拡大作業と連動することでより早く治療を行えるような機器も登場しています。また、根管長の測定自体もかなり正確に行えるようになっているので、痛みを感じることなく治療が受けられるでしょう。

根管治療中はリーマーによる痛みを感じるケースも

根管治療中は、個人差はありますが痛みを強く感じる可能性もあります。

とくに痛みが生じやすいのは、リーマーという細い針のような器具を歯根の先端に挿入しているときです。

リーマーは、歯の神経を取り除いたり根管を拡張させたりするために使用しますが、まれに歯根の位置から突き抜け、痛みが生じてしまうことも。

そうなると歯根膜を傷つけてしまう可能性もあるため、根管治療は慎重に行うことが重要なのです。

また、通常は神経を取り除いた後にリーマーを挿入して歯根の清掃をしても痛みは感じません。しかし、治療の過程で神経を取り残してしまった場合にリーマーを挿入すると、神経に直接触れて激痛を伴います。この場合は、もう一度麻酔をして残っている神経を綺麗に取り除く必要があります。

根管治療の流れ

根管治療が必要なのは、虫歯が深くまで進行し、神経が侵されている状態のときです。そのまま放置しても自然と治ることはありませんし、さらに重篤な状態を引き起こすため早めに根管治療を受けなければいけません。

しかし、根管治療は痛みが伴うイメージをお持ちの方も多く、歯が痛まなければなかなか歯科医院へ行かない方もいます。まずは根管治療の具体的な流れを知って、不安感を取り除くことからはじめましょう。

抜髄

歯科医師が、根管治療の必要があると診断した場合、まずは麻酔をかけてから虫歯に侵された神経部分を取り除く作業を行います。

少しでも多くの健康な歯質が残るように丁寧に虫歯を削り、リーマーやファイルなどの専用機器を用いて虫歯菌に感染した神経を取り除いていきます。

1回目の治療では、薬剤を詰めて細菌が入らないように仮の詰め物をして、抜髄のみで終わることも多いです。

歯根の深さを測る

歯根の形状は非常に複雑です。目視では正確に歯根の奥まで確認できないため、上記でご紹介した根管長測定器を使用して、歯根までの深さを測ります。

根管洗浄

神経を取り除く際に使用したリーマーやファイルで、虫歯菌に感染した根管内部の神経や血管などを隅々までくまなく綺麗にしていきます。

この根管洗浄は、根管治療の中でも非常に根気のいる作業です。治療が複数回にわたることも多く、複数の歯を治療する場合などは、数ヶ月歯医者へ通うこともあります。

治療が長期にわたる場合、神経を取り除き痛みがなくなると途中で治療をやめてしまう患者さんもいます。しかしこの状態で放置してしまうと、さらに状態が悪化してしまうので、根気強く治療を受けるようにしましょう。

歯根をくまなく消毒

虫歯に侵された部分を取り除いても、リーマーやファイルが届かない部分には細菌が残っています。そのため、消毒薬を使用して殺菌し、できる限り細菌の数を減らさなければいけません。

薬剤を充填

虫歯の部分を取り除き消毒した後は、歯根内部の空洞を化膿止めの充填剤で充填し密閉します。細菌は、増殖するスペースがなければ増えないため、充填剤を根管の隅々に行き渡らせることが非常に重要です。

入り口に蓋をする

根管内を密閉したことが確認できた後は、内部に細菌が再度侵入しないように蓋をします。そして最終的に被せ物を装着するために削った部分を埋めたり、歯の欠損が大きい場合は土台を構築したりします。

被せ物を装着

構築した土台に合わせて作製した被せ物を、隙間がないようにしっかりと被せ、咬み合わせを調整して治療は終了です。

 

根管内部の様子によっては、被せ物をセットする前に仮歯を装着して経過を観察するケースもあります。

まとめ

歯医者の根管治療で聞こえる「ピピピ」という音の正体と、根管治療が必要な症状、治療の手順について詳しく解説しました。

根管治療では、根管長測定器という機械を使用して歯根までの深さを測ります。その際、ピピピという音がするため、何の音だかわからず不思議に思った方もいるのではないでしょうか。

痛みに不安を感じてしまうかもしれませんが、ほとんどの場合神経部分を除去する前に麻酔をかけるので、必要以上に不安になることはありません。

根管治療は、歯根の隅々までくまなく綺麗にすることが非常に重要です。治療が長期にわたる場合もありますが、途中で治療をやめないようにしましょう。

初台にある「内藤歯科」では、患者様を第一に考えて少しでも安心していただけるような治療を行うように心がけています。

根管治療では、サージテル(拡大鏡)を使用するため、超精密な処置が可能です。もちろん、根管長も測定し、歯根の深さを把握した上でしっかりと治療を行います。

虫歯治療を受ける歯科医院をお探しの方は、ぜひ一度「内藤歯科」までお気軽にご相談ください。

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