歯が痛いとき4
前回は、咬み合わせのバランスが悪いときに、歯が痛む時の治療方法をお伝えしました。この時の治療方法は、歯の形態、咬合接触面を精細に観察しなければならないため、拡大鏡やマイクロスコープを使用する必要性がありました。
今回は咬みしめから、歯が痛む場合について、ご説明いたします。人は普段寝ている間に、無意識のうちに咬んでいることがあります。その咬む力が、想像以上に強く、いわゆる「歯ぎしり」として音を立てる場合があります。普段はどんなに強く咬んでも音など出ないのに、寝ている間は人によっては「ぎりぎり・・・」とすごい音が出ます。一説には食事の時の咬む力の数倍の力が出ていることがあるそうです。この力により、自分で自分の歯を痛めてしまうことがあります。
むし歯はないのに、朝起きた時に歯が痛むという人は、この寝ているときの「歯ぎしり」が原因で痛んでいる可能性がります。つまりこの有害な「歯ぎしり」をしなければ、痛みが治まるわけですが、何しろ寝ている間の事ですので、わかったところで自分では、止められません。そこで、「スプリント」という装置を作成し、「歯ぎしり」を防止することがあります。
夜間寝ている間中装着し、歯ぎしりの力を緩和させて痛みをとる方法です。これは、人によっては違和感で寝付けないこともあるので、万人に向く方法ではありませんが、ご説明して使っていただくと、意外に多くの方が、「スプリント」を装着して寝ると、夜間の食いしばりという重労働から解放されるので、かえって熟睡できると言います。
朝起きると、なぜか歯が痛む、という方にはぜひとも試していただきたい装置の一つです。