インプラントとはその5

最近はコロナ対策で中断していましたが、また、役に立つ歯科情報を発信していきます。

以前、歯科インプラントのお話をいたしましたが、インプラントもオステオインテグレーションの進化とともに、インプラントの専門医の治療も進化しています。

特に「咬合」においては、ICOI(国際インプラント学会)やEAO(ヨーロッパインプラント学会)等でも常に話題となってきました。

以前のトピックスで、「インプラントとはその3」においおて、天然歯とインプラントの違いの一つに、「歯根膜」の有無があることはお伝えいたしました。それでは「歯根膜」がないインプラントではどのような対応が必要なのでしょうか?インプラント治療を25年以上行ってきた専門医としては、次のように考えます。

私たち歯科インプラントの専門医は、歯根膜の役目でインプラント治療に関係するものは、次の2つと考えます。

1番目は、咬んだ時のクッションの役目。

2番目は、咬み方の調節機構。

1番目は、歯根膜は天然歯とそれを支える骨ととつなぐクッションの役目を果たし、咬んだときに、歯が50~100ミクロンくらい沈んで咬んだ力をやわらげる役目をします。車でいえば、サスペンションのような役目です。もし仮に車にサスペンションがないとしたらどうでしょう。道路の凸凹に応じて、車がガタガタ揺れて、乗り心地がよくありません。あんまりガタガタ揺れると、次からはお姉さんも、助手席に乗ってくれなくなります。困りますね。車がしっかり走るには、しっかりとしたサスペンションが必要ですね。天然歯には、この役目を果たす、「歯根膜」が初めから備わっているのです。

その歯根膜がないということは、インプラントの治療時において、咬合調整時に注意が必要です。インプラントの専門医は、歯根膜を備えた天然歯と、歯根膜を持たないインプラントの共存のために、顎位を軽く咬合した時(ライトタッピングポジション)としっかり咬んだ時(クレンチングポジション)とに分け、咬合調整を行います。この顎位のうち、天然歯の歯根膜が沈下した時点での顎位で、(クレンチングポジション)多点同時接触を実現するように、咬合調整を行います。

逆に天然歯が沈下していない(ライトタッピングポジション)で多点同時接触の咬合調整を行うと、強く咬んだ時(クレンチングポジション)ではインプラント修復歯のみで咬合負担することになり、咬合性外傷の形で、炎症がおこり、組織の破壊に繋がります。

すなわち、インプラント修復においては、ライトタッピングポジションにおける顎位の確認と、クレンチングポジションにおける咬合調整を行う必要があります。

2番目は咬みかたの調節機構です。私たちは固いものは強く咬み、柔らかいものは弱く咬む、このような調節を無意識のうちに行っています。再度車で例にとると、スピードメーターのようなものでしょうか、例えば高速道路で運転していて、スピードメーターが時速200kmと表示されていると、アッといけないと思うのと同じようなものです。このように、「歯根膜」は無意識のうちに、咬む力を調節するための、感覚受容器として働いています。しかし、インプラント修復歯には、この重要な感覚受容器がないため、咬合力の強弱の調整がうまくできない可能性があります。このため、インプラント修復を否定するDRもかつてはいたのですが、人間は多くの場合は右で咬む時と、左で咬む時を使い分けるものです。つまり右側にインプラント修復をした場合、右側の天然歯(小臼歯大臼歯併せて、8本ありますので、これらのどれかの歯根膜の感覚受容器が機能すれば、咬合力の調整は可能です。例えばインプラントの単独修復においては、他の天然歯の歯根膜の感覚受容器において、咬合力の調整がなされるので、心配は無用です。

ただし、天然歯が残っていない場合には、咬合力の調整が難しくなりますので、インプラント用の咬み方を覚えてもらう必要があります。インプラント修復のみの方は、多くの場合、瞬発力を用いた咬み方になります。これは咬みきるまでスピードを落とさずに咬み切りに行く咬み方で、過大な咬合力がかかります。当然過大な力のために、咬合性外傷が起きやすく、組織の破壊につながります。これを防ぐためには、「じわっと咬む咬み方」、スピードを落とし、ゆっくり咬みこんでいく必要があります。歯根膜があれば無意識に調節していることですが、ない場合にはこの「じわっと咬む咬み方」を意識的に行う必要があり、練習してもらいます。

このように、インプラント修復は天然歯の「歯根膜」がないために、インプラントに精通した専門医は、様々な工夫をしています。

 

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