インプラントとは その3

前回、インプラントと天然歯との一番大きな違いは、「歯根膜」であることをご説明いたしました。では、この「歯根膜」の役目とはいったいなんでしょうか?これは歯科インプラント治療を行う上で、最も重要なポイントになりますので、皆様もこれから、歯科インプラントの治療を受けることがあれば、必ず担当医に、インプラント治療における、歯根膜の役目をどう考えるかを、お尋ねになるといいと思います。これに対してしっかりとお答えできる先生に、処置をお願いするとよいでしょう。

私たち歯科インプラントの専門医は、歯根膜の役目でインプラント治療に関係するものは、次の2つと考えます。

1番目は、咬んだ時のクッションの役目。

2番目は、咬み方の調節機構。

1番目は、歯根膜は天然歯とそれを支える骨ととつなぐクッションの役目を果たし、咬んだときに、歯が50~100ミクロンくらい沈んで咬んだ力をやわらげる役目をします。車でいえば、サスペンションのような役目です。もし仮に車にサスペンションがないとしたらどうでしょう。道路の凸凹に応じて、車がガタガタ揺れて、乗り心地がよくありません。あんまりガタガタ揺れると、次からはお姉さんも、助手席に乗ってくれなくなります。困りますね。車がしっかり走るには、しっかりとしたサスペンションが必要ですね。天然歯には、この役目を果たす、「歯根膜」が初めから備わっているのです。

2番目は咬みかたの調節機構です。私たちは固いものは強く咬み、柔らかいものは弱く咬む、このような調節を無意識のうちに行っています。再度車で例にとると、スピードメーターのようなものでしょうか、例えば高速道路で運転していて、スピードメーターが時速200kmと表示されていると、アッといけないと思うのと同じようなものです。このように、「歯根膜」は無意識のうちに、咬む力を調節するための、感覚受容器として働いています。

このような大切な働きがないので、歯科インプラントは、天然歯と同じではありません。この違いにどう対処するか、明確な説明ができない歯医者さんは、歯科インプラントの専門医ではないでしょう。