親知らずを抜かないとどうなる?早めに抜くべき理由も紹介

監修者情報

院長:内藤 嘉彦

<保有資格>

  • 国際インプラント学会認定医
  • 国際口腔インプラント学会
  • 顎咬合学会認定医など

<自己紹介>

はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。

親知らずを抜かないとどうなる?早めに抜くべき理由も紹介

「親知らずを抜かないとどうなる?」「痛くないから抜かなくてもいい?」など、親知らずに関する疑問は、非常に多くの方が感じることです。

結論から申し上げると、親知らずには抜いた方がよいものと抜かなくてもよいもの(今後抜く必要が出てくる場合もある)がありますが、圧倒的に抜いた方がよいものの方が多いといえます。

なぜなら、親知らずは口の中の一番奥に生えてくることから、虫歯や歯周病になりやすいからです。しかも現代人の顎は小さいため、生えてくるスペースが足りなかったり、歯列から大きく外れて生えてきたりなど、歯並びや噛み合わせにまで悪影響を及ぼすことも。

この記事では、親知らずを抜かないリスクやできるだけ早めに抜くべき理由などをご紹介します。抜歯は誰でも嫌なものですが、抜くべき親知らずを放置するのはおすすめできません。親知らずが生えてきた方や親知らずに気になる症状がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

親知らずとは

  • 親知らずを抜かないとどうなる?早めに抜くべき理由も紹介

親知らずとは、別名「智歯」とも呼ばれ、すでに永久歯が生えそろった18歳頃から20歳頃に生えてくる永久歯です。遅いと24〜25歳頃に生えはじめることもあります。

前歯から数えて8番目、第二大臼歯の奥に生えてくることから、専門用語では「第三大臼歯」と呼ばれます。

基本的には、他の永久歯と同じように上下左右に4本生えてきますが、必ずしも4本すべてが生えてくるわけではありません。どこか1本だけ存在していることもあれば、2本、3本存在していたり、1本もなかったりすることもあります。

さらに、親知らずは存在しているものの骨の中に埋まってまだ出てきていない、もしくは一部分だけ見えている、横や斜めを向いて生えてきているなど、人によって状況はさまざまです。

親知らずを抜かないとどうなる?

親知らずを抜かないとどうなる?早めに抜くべき理由も紹介

親知らずは、横や斜めに生えていてきちんと生える見込みがない場合や、粘膜や歯茎に当たって傷つけている場合、他の歯に悪影響を与える場合などに抜歯を勧められることが多いです。

その反対に、真っ直ぐに生えて正常に機能していて痛みや腫れがない場合は抜く必要がないとされていますが、不衛生になりやすくトラブルが起こりやすいのであれば、抜歯を勧められることもあるでしょう。

では、親知らずを抜いた方がよいにもかかわらず、そのままにしているとどのようなリスクがあるのでしょうか。

虫歯になりやすい

親知らずは、歯列のもっとも後ろに生えているため、真っ直ぐに生えていても歯ブラシが届きにくく、メンテナンスが困難なことが多いです。横や斜めに生えていたり、途中までしか生えていなかったりする場合は、さらに歯磨きがしにくく、虫歯になりやすくなります。

しかも、虫歯治療で使用する器具を入れるのが非常に難しいうえにしっかりと見えにくいため、虫歯治療自体も難しくなるでしょう。

また、親知らずとその手前の第二大臼歯の隙間には、食べかすや汚れがたまりやすく、第二大臼歯まで虫歯になってしまうことも。

親知らずはあってもなくてもよい歯なので虫歯になれば抜歯すればよいですが、第二大臼歯は噛み合わせの安定を保つなどの重要な役割を担っているため、簡単に抜くわけにはいかないのです。

歯周病になりやすい

親知らずは、食べかすや汚れがたまりやすく、歯と歯茎の隙間に歯垢や歯石がたまりやすいのが特徴です。そのため、虫歯だけでなく歯周病のリスクも高く、とくに「智歯周囲炎」という親知らず特有の歯周病になることがあります。

親知らずが横や斜め、半分だけ生えている場合は要注意。細菌感染によって親知らず周辺の歯茎や骨に炎症が起きてしまい、歯茎から膿が出たり口が開きにくくなったり、顔が腫れたりなど日常生活に支障をきたすこともあります。

ひどくなると、入院や手術が必要になる恐れもあるので十分注意しなければいけません。

歯並びが悪くなる

親知らずは、他の永久歯が生えそろった後に時間をおいて、歯列のもっとも後ろに生えてきます。

歯自体の大きさも大きく、前に向かって生えてくるケースも多いため、生えてくる向きによっては手前の歯に対して強い力がかかり、前歯が重なるなど歯並びに影響が出てしまうこともあるのです。

さらに、親知らずが第二大臼歯へ食い込むように生えてしまうと、第二大臼歯の歯根吸収を引き起こしてしまう恐れもあります。歯の根っこが吸収されてしまうと、親知らずだけでなく第二大臼歯も抜かなければならないかもしれません。

噛み合わせが悪くなる

親知らずによって手前の歯が押されてずれてくることで歯並びが悪くなると、そのズレから上下の歯の噛み合わせが悪くなり、顎関節症を引き起こす恐れがあります。

顎関節症になると、顎が痛んで口が開けづらくなるだけでなく、口の開け閉めの際に雑音がしたり、顎が外れたりなど日常生活に支障が出てしまうため注意が必要です。

親知らずを抜くとどうなる?

親知らずを抜くことによって、歯や口の中全体に悪影響を及ぼすことはありません。

むしろ、歯磨きがしやすくなったり、歯並びや噛み合わせへ関与したりすることがなくなるので、口の中の健康にとってプラスになるケースが多いです。

ただし、親知らずの抜歯には合併症のリスクも伴います。代表的な合併症は、出血や疼痛、感染などです。その他にも親知らず周辺の歯の損傷や脱臼、歯槽骨の骨折や軟組織外傷、親知らずの一部残留なども抜歯の合併症に挙げられます。

歯科医院では、親知らずを抜く前にこれらのリスクを十分に説明し、患者さんとよく相談した上で抜歯の処置を行います。

親知らずをできるだけ早めに抜くべき理由

歯科医院へ行くこと自体が苦手だったり、仕事が忙しくて時間が取れなかったりなど、痛みや腫れの症状がない場合は、なかなか歯科医院へ足が向かないかもしれません。

しかし、すでに親知らずが口の中に悪影響を及ぼしている場合や、これから及ぼす可能性が高い場合は「できるだけ早く抜いた方がよい」といわれています。

ここでは、その理由を4つご紹介します。

全身の健康まで損なう恐れがあるから

親知らずが生えていると、周辺の歯茎が炎症を起こして痛みや腫れを引き起こしたり、虫歯による強い痛みが生じたりすることはよくありますが、場合によっては炎症が周囲の組織にまで及ぶこともあるので注意が必要です。

たとえば、顎の下や頬が大きく腫れ上がったり、稀ではあるものの感染が喉から広がって心臓周辺へと広がったりして、最悪の場合命に関わる事態になる恐れもあります。

回復力が衰えてしまうから

親知らずを抜いた後は、その場所の骨や歯茎が盛り上がり、徐々に傷口が治っていきます。親知らずが生えて間もない20歳前後は、自然治癒能力も高いため、抜歯をしても傷口はすぐに塞がり、痛みや腫れも長引きません。

しかし、30代以降は自然治癒力も徐々に衰えていくことから、傷が治るまでに長期間かかってしまうのです。痛みや腫れも、20代と30代では30代の方が長引きます。

これらのことから、親知らずはできるだけ年齢が若いうちに抜いてしまった方がよいといえるでしょう。

治療のリスクが少ないから

生えはじめて間もない親知らずは、まだ歯の根っこが未完成の状態です。完全に生えてしまった親知らずと比べて抜歯しやすく、その分骨や傷口が空気に触れる時間も短くなるため、痛みや腫れなどのリスクが少なくて済みます。

反対に、親知らずが生えて長期間経ってから抜歯が必要になった場合、高血圧症や糖尿病、骨粗しょう症などで日常的に薬を服用している方は、抜歯に伴うリスクが高くなるでしょう。

親知らずの根っこが完成してしまうと、抜歯の際に下顎管(親知らずの歯根付近の大きな神経と血管が通っている部分)を傷つけて、麻痺が出てしまう恐れもあります。そのため、親知らずの抜歯が必要な場合は、できるだけ早い段階で治療を受けることが大切なのです。

顎の成長が止まってしまうから

顎の骨の成長は、20歳後半くらいでストップし、その後は徐々に緻密になり固くなっていきます。

逆にいうと、年齢が若ければ若いほど顎の骨はやわらかいということなので、抜歯もしやすいことが多いです。しかも若いうちに抜歯すれば、親知らずがあった部分はきれいに骨で埋まって抜歯した箇所のくぼみも残りません。

抜いた方がよい親知らずの特徴とは

以下は、抜いた方がよい親知らずの特徴です。

  • 親知らずが横や斜めに向いて生えている
  • 歯茎が腫れたり痛んだりを繰り返している
  • 第二大臼歯(親知らずのひとつ手前の歯)に虫歯がある
  • 食事の後はいつも食べ物が詰まってしまう
  • 親知らずが生えてから噛み合わせが悪い
  • 親知らずが全部ではなく一部だけ出ている
  • 親知らずで反対側の歯茎や頬の粘膜を噛んでしまう
  • 歯列から外れたところに親知らずが生えている

上記の特徴のいずれかに当てはまる場合、歯科医院では抜歯が必要と判断されることになるでしょう。

抜くべき親知らずの判断基準については、こちらで詳しくご紹介しているので、ぜひ参考になさってください。

親知らずがきれいに生える人の割合は?生え方の種類や抜歯が必要なケースを紹介

まとめ

親知らずを抜かないリスクや、できるだけ早めに抜くべき理由などをご紹介しました。

親知らずが生えていると、それによって痛みや腫れが出たり、他の歯や口の中全体に悪影響を及ぼしたりする恐れがあります。

すべての親知らずを必ず抜かなければならないわけではありませんが、真っ直ぐに生えていない場合は抜いてしまった方が安心です。

また、真っ直ぐに生えていても、歯磨きがしにくい場合などは抜歯を勧められることもあります。そのような場合は、歯科医師の意見をよく聞いて納得した上で抜歯の処置を受けてください。

初台駅から徒歩1分のところにある「内藤歯科」では、常に患者様を第一に考え、安心して治療を受けていただけるよう努めております。

国際インプラント学会認定医や顎咬合学会認定医など、さまざまな認定資格を有する院長が、患者様のお口のお悩みをお伺いし、不安を取り除いた上で治療を行います。

親知らずについても、抜くべきか抜かないべきなのか慎重に判断して治療方針をご提案いたしますので、ぜひ一度「内藤歯科」までご相談ください。

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