虫歯や歯周病を放置すると顎の骨が溶ける?気をつけたい症状や治療方法・予防方法を紹介

監修者情報

院長:内藤 嘉彦

<保有資格>

  • 国際インプラント学会認定医
  • 国際口腔インプラント学会
  • 顎咬合学会認定医など

<自己紹介>

はじめてお越しいただく方は、歯医者に対して不安をもたれているかもしれません。
当院は常に患者様を第一に考え、不安を取り除き安心して治療をお受けいただきたいと考えています。
まずはカウンセリングを行いますので、お気軽にお口のお悩みをお聞かせください。

顎の骨 溶ける

 

虫歯で顎の骨が溶けるという話を聞いたことがある方は、虫歯を放置していることで不安を感じでいることでしょう。

そもそも虫歯を放置しなければよいのですが、仕事や育児で忙しく過ごしていて、なかなか歯科医院を受診できずにいるという方も少なくありません。

顎の骨を溶かす病気というと、歯周病を思い浮かべることが多いですが、実は虫歯が進行することでも顎の骨を溶かしてしまうことがあります。

また、顎の骨を溶かすことはありませんが、虫歯や歯周病の菌が顎の骨の中で炎症を起こしてしまう病気も存在します。

この記事では、顎の骨を溶かす歯周病(辺縁性歯周炎)や虫歯が進んだ根尖性歯周炎、顎の骨が炎症を起こす顎骨骨髄炎について詳しくご紹介します。

虫歯や歯周病の予防方法についてもお伝えするため、虫歯や歯周病について詳しく知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

歯周病と虫歯の違い

顎の骨 溶ける

歯周病と虫歯の大きな違いは、歯周病は歯の周りの病気で、虫歯は歯の病気ということです。

また要因となる細菌も異なっていて、歯周病を引き起こすのは歯周病菌、虫歯を引き起こすのはミュータンス菌です。

具体的には以下のような違いがあります。

  歯周病 虫歯
症状が起こる箇所 歯の周囲
症状 歯肉の炎症や顎の骨が溶ける 歯が溶けて穴があく
自覚症状 痛みを感じない 痛みを感じる
治療方法 口内を清潔にして細菌を減らす 歯を削って細菌を除去する

それぞれ放置することで顎の骨を溶かしてしまったり、身体全体に菌を回してしまったりと、治療が必要な疾患であることは覚えておきましょう。

歯周病(辺縁性歯周炎)

顎の骨 溶ける

虫歯と違い進行することで完治させるのがなかなか難しいのが歯周病となるため、そもそも歯周病にならないよう気を付けて過ごす必要があります。

まずは、歯周病の症状や原因について、詳しくお伝えします。

歯周病(辺縁性歯周炎)とは

歯周病は歯ぐきや歯を支えている骨が溶けてしまう疾患で、歯ぐきと歯の間に歯垢がたまることで細菌が停滞して、炎症を起こして歯ぐきが腫れたり、進行することで膿が出たりします。

さらに進行すると歯が抜けてしまうこともある歯周病は、日本人の国民病ともいわれており「8020推進財団」が実施した「永久歯の抜歯原因調査」によると、抜歯の原因で最も多いのが歯周病の37.1%と、抜歯をした方のうちの約4割が歯周病によって歯を失っていることがわかります。

歯周病で常に炎症が続いている状態は、歯肉の血管から全身に為害性物質を巡らせ、糖尿病や早産、肥満、血管の動脈硬化など全身にかかわるさまざまな疾患を引き起こしたり、悪化させたりする原因となります。

歯周病(辺縁性歯周炎)の症状

痛みがほとんどないため、気が付いたときには歯周病が進行していることも多く、以下のような症状がある方は注意が必要です。

・歯肉が赤く腫れる

・歯肉を押すと血や膿が出る

・歯と歯の間に物がよく詰まる

・歯並びが変わったような気がする

・歯を触るとグラグラ揺れる

もともと、1~2mmほどの隙間がある歯と歯ぐきの間に歯垢がたまると、歯ぐきに炎症が起こり2~3mmの隙間へとなっていきます。これが歯周病の初期段階で、歯ぐきの炎症が酷くなっていくにつれて隙間が深くなり、歯槽骨が破壊されて歯がグラグラしはじめます。

重度の歯周病になると歯が抜けてしまうこととなり、食事に支障がでることから健康状態にも影響を及ぼすことがあります。

 

歯周病(辺縁性歯周炎)の原因

歯周病が進行する原因は、歯垢や歯石が歯と歯ぐきの境目にたまり、歯周病の原因菌が繁殖することです。

歯垢の中には1mgあたり1億個もの細菌が含まれていて、細菌が作り出す毒素が歯肉を腫れさせることで歯周ポケットができます。

歯垢に含まれる細菌が歯周病を進行させていくため、歯磨きが十分にできていない方は歯周病になりやすいとされていますが、他にも喫煙していることや糖尿病の方は歯周病が進行しやすいといわれています。

歯周病(辺縁性歯周炎)の治療方法

歯周病の治療は、まず精密な検査を行うことからはじめます。

歯ぐきや歯槽骨の状態を調べ、歯周ポケットの深さを確認し、歯周ポケットに詰まっている歯石を除去していきます。

歯石を除去することで歯ぐきが引き締まり、それ以上歯周病を進行させるのを防ぎます。

治療を行っても歯ぐきが引き締まらない場合は、歯周ポケットが残っていて歯ブラシが行き届かず、歯周病が再発する可能性があるため、清掃しやすいよう歯槽骨の形態をよくする外科処置が行われるケースもあります。

虫歯が悪化した「根尖性歯周炎」

顎の骨 溶ける

根尖性歯周炎は、歯の根から出る細菌や毒素によって根の周りに炎症が起こり、歯槽骨の内部に膿がたまったり、顎の骨を溶かしたりする可能性がある症状です。

ここからは、根尖性歯周炎の症状や原因について詳しくご紹介します。

根尖性歯周炎とは

歯の中にある神経は、根管という管の中に入っています。この根管の中で細菌感染が起こると、歯の周りの組織である歯根膜や骨に細菌が入り込んでしまい、歯の根っこ部分で病巣をつくります。

歯の根っこ部分に病巣ができている状態を根尖性歯周炎といい、根の中の細菌は自然にいなくなることはないため、歯科医院で根管治療を行う必要があります。

根尖性歯周炎の症状

根尖性歯周炎になると、以下のような症状が見られます。

・疲労によって歯ぐきが腫れる

・食べているときに違和感や痛みがある

・歯ぐきから膿が出る

・通常時にズキズキ痛くなる

・外から見てもわかるくらい顔が腫れる

・歯がグラグラ揺れる

歯の神経ではなく歯の周囲の骨などの組織が炎症を起こすため、神経をとる治療をしていても骨の中に痛みを感じます。

炎症がひどくなることで、通常時何もしていない状態でも痛みが出るケースもあります。

根尖性歯周炎の原因

根尖性歯周炎は以下のような原因で引き起こされます。

・深い位置にあった虫歯の治療後

・虫歯が大きくなりすぎて神経が死んでしまった

・何らかの外傷によって神経を切断した

・歯が折れてしまった

・根管治療をした後

虫歯が大きくなりすぎたり深い位置にあったりして神経が死んでしまうと、痛みはなくなりますがそのまま細菌が歯の中で増え続け、歯の根元から毒素を出すようになります。

また、根管治療後に顎の骨にたまっていた膿が外に出ようとして腫れや痛みが生じることもあります。膿の中にいる細菌は力が強く、顎の骨を溶かし続けてしまいます。

根尖性歯周炎の治療方法

根尖性歯周炎の治療は、まず根の先に溜まっている膿を切開により取り出すことからはじめます。

その後根管の中で死んでしまった神経や血管を取り除き、歯の中を綺麗にします。歯の中は非常に複雑な形をしているため、何度か繰り返して治療が行われます。

歯の中を綺麗にしたら再度感染させないよう薬を詰め、かぶせ物をします。

根管治療で根尖性歯周炎が改善しない場合は、歯茎側から切開して根の先にたまった膿を出すこともあります。

虫歯や歯周病が進行するとなる「顎骨骨髄炎」

顎の骨 溶ける

歯に痛みがある場合もない場合も、虫歯や歯周病を放置することで全身にさまざまな影響を及ぼしてしまう可能性があります。

顎骨骨髄炎では顎の骨が溶けることはありませんが、顎の骨が炎症を起こしてしまうことがあるため注意が必要です。

ここからは、虫歯や歯周病を放置すると顎の骨に細菌が入り込んで罹る、顎骨骨髄炎について詳しくご紹介します。

顎骨骨髄炎とは

骨髄炎は細菌が骨で繁殖してしまう骨の病気です。通常は骨が皮膚や粘膜、筋肉などでおおわれているため炎症を起こしにくい場所ではありますが、顎の骨は歯が直接埋まっているため、歯から骨への感染を起こしやすくなっています。

主に血流が悪い下顎にできやすいのが特徴で、骨髄に達した細菌が血流不足によって死滅せずに繁殖してしまいます。

薬で治癒する場合もあれば、進行の度合いによっては外科手術が必要な場合もあり、食事の問題だけではなく日常生活に大きな影響を及ぼす可能性がある疾患です。

顎骨骨髄炎の症状

顎骨骨髄炎になると、以下のような症状が見られます。

・リンパ節の腫れ

・歯と歯の間に物がよく詰まる

・痛み

・歯がグラグラ動く

・口が開かない

・つばを飲み込むと痛みを感じる

・発熱・倦怠感

・食欲不振

歯周病や虫歯から引き起こされる顎骨骨髄炎は、原因となった歯以外の周囲の歯や歯茎も腫れたり、痛みを感じたりするようになります。

さらに原因となる歯とその周辺の歯がグラグラと動くようになり、炎症が奥歯まで広がっている場合は、つばを飲み込んだだけで痛いと感じるようになります。

歯や歯ぐきに痛みを感じるだけではなく、倦怠感や高熱が出る、食欲不振に陥るなど、全身症状が現れる場合もあり、日常生活に支障をきたす状態です。

顎骨骨髄炎の原因

顎骨骨髄炎の原因は、虫歯や歯周病の炎症によるものが最も多く、そのほかにも骨の骨折や腫瘍などの二次感染も考えられます。

糖尿病やステロイド治療などによって免疫機能が低下しているときや、口腔内の環境が悪い方は罹患しやすいという傾向にありますが、健康な方でも発症する可能性がある疾患です。

また、骨粗しょう症やがんによる治療薬である「ビスフォスフォネート製剤」を使用したときの副作用として、顎骨骨髄炎が発症することもあるため、注意が必要です。

顎骨骨髄炎の治療方法

軽症の場合は、抗菌薬を服用することで原因菌の炎症を抑えます。

重度の顎骨骨髄炎を患っている場合は、薬物療法だけでは症状がよくならない可能性があることから、外科療法として炎症部位の除去を行うケースもあります。

歯周病や虫歯の予防方法

歯周病も虫歯も、発生原因や症状に違いはあるものの、歯垢の中の菌が原因となることは共通しています。

そのため、歯周病や虫歯予防で一番大事なことは、毎日の歯みがきです。

その際、歯周病が気になる方はとくに歯と歯肉の間を綺麗にするように、虫歯が気になる方は歯と歯の間を綺麗にするように心がけましょう。

歯みがきをする際には、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、歯ブラシだけで磨くよりも歯垢除去率が高まるとされているため、歯ブラシ以外のグッズを使用して気になる部分を綺麗に磨くようにしましょう。

歯みがきの方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。

健康な歯に欠かせない大事な歯磨き!注意すべき点は?

また、自宅でのセルフケアに加えて重要なのが、歯科医院での定期検診です。

正しい歯みがきができているか、歯石は溜まっていないかといった口内の健康を保つため、定期検診でチェックすることで、歯周病や虫歯になっていたとしても初期段階で見つけることができます。

年齢を重ねても自分の歯を健康に保つために、自宅でのセルフケアと歯科医院での定期検診によって歯周病と虫歯を予防しましょう。

まとめ

歯周病や根尖性歯周炎についてと、歯周病や虫歯が原因で起こる顎骨骨髄炎について詳しくご紹介しましたが、参考になりましたか?

歯周病も虫歯も、放っておくことで歯が抜けてなくなってしまうだけではなく、顎の骨にも影響を及ぼすことがあります。

日々忙しいなかでも、セルフケアと歯科医院での定期的な検診を実施することで、歯周病や虫歯を予防しましょう。

初台駅から徒歩1分の場所にある「内藤歯科」では、国際インプラント学会認定医をはじめとした、さまざまな資格をもった院長が幅広い知見をもとに難症例にも対応いたします。

最新の医療環境を整え、患者様一人ひとりのライフステージや要望に合わせて、治療計画を立案します。

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